これは広告です

営利目的の行為にすぎませんので、気をつけてお召し上がりください。

これを読んでくれる人は、自分がマーケティングされてるって理解した上で読んでほしいし、それでもちょっとだけ参考になったらうれしいと思うし、あとタイトル長すぎる(その1)



すみません、まず最初に申し上げます。

この記事は完全なる「広告」であり、この記事を読んでいただける方に
商品を紹介し、あわよくば購入してもらいたいという
「営利目的のマーケティング行為」です。
ですので、どうか、はっきりと伝えさせてください。

これは、広告です。



*YASUさんのこと

YASU(全角)さんとは、まだ夏には蛍を見ることができる町に住んでいる、
50代の放送作家である。

彼は十数年間、福祉とボランティアを紹介する番組の制作に携わっていて
とても実直で、穏やかな性格の人だ。

おまけに、話をしているうちに
「どうせ、ぼくなんてさ・・・」
みたいなネガティブな言葉が出てきちゃうので
全然「YASU」って感じじゃない。
しかしご本人はYASU、と名乗るので、仕方がないからそう呼ぶことにする。



実は、僕自身、YASUさんと出会ったのは最近で、
ほとんど一緒に仕事をしたことはない。

そもそもテレビ屋と広告屋というのは、近いようで、実は全然違う商売なので
何かのきっかけがないと、接点すらなかったりする。

だけど僕は、なんだかYASUさんのことが気になっていたので
思いきって、今回の仕事を一緒にやってくれませんかと相談した。
そして彼は、快く引き受けてくれた。


さて、今回、僕たちはこんな商品を広告することになった。

写真とかクリックするとECサイトにとんでしまうので
今はざっと見るだけにして、気になった方は後でゆっくりご覧を。

ナレッジストックノート | こだわりステーショナリー Smart Work Shop(スマートワークショップ)

http://www2.enekoshop.jp/shop/smartworkshop/item_list?category_id=232558



これは、フィールドワークノートという種類の、
立ったままでも書くことができる、小さめのノートらしい。

このノートを題材にした理由は、大人の事情も含めて色々あるけど、
シンプルな題材だから、表現方法に自由度があるんじゃないか、
という下心もある。

僕はさっそくYASUさんと一緒に、このブログを使って
どんな広告をすればいいかを話し合った。

こういう時、普通、広告制作者は
グルグルとその商品の周りを360度まわって、表現の「切り口」を探す。

ノートって・・・紙でできてるよね・・・「紙のぬくもり」ってどうかな?とか
・・・このデジタル時代にあえて手書き・・・が脳を刺激する?とか
紙って、うまくやればスパッって切れるから護身用になる?とか

YASUさんは、ふむふむ、と僕のつまんない話を聞いてくれたり
突然、オレも若い頃にもっとあんなことをやったらよかったな的な
ネガティブな物語をはさんだりしながら
辛抱強く打ち合わせに付き合ってくれた。

お互いに何かスーパーアイデアが出てきたわけではなかったけど
まあ、最初だし、こんなものかな、と思った。

そうやって、しばらくブレストをしてから
まあとりあえず、そんな感じで考えてみますかね、と一度、解散した。





*オー、イエイ!

さて、YASUさんと別れてちょっとしてから、僕は急に思った。

YASUさんはテレビ番組の放送作家だ。

ひょっとして、彼は彼なりに発想の方法があったのに、
気を使って、こっちに合わせてくれたんじゃないだろうか。
僕は若造のくせに大先輩に自分のやり方を押しつけて
すごく失礼なことをしてしまったのではないだろうか。

僕は自分のデスクに戻ってから、ちょっとだけ考えて
それからYASUさんに、こんなメールを送った。


YASUさま

おつかれさまです。

ちょっと思いついたのですが

YASUさんが企画を考えたり

台本を書いたりする時に

何か参考にする考え方とか

お手本みたいなものとかがあれば

それもちょこっと教えてもらえたらなと思いました。

公開できる範囲で、もちろんけっこうなんですけど。


すぐにYASUさんから返信があった。


ご連絡ありがとうございました。

????

お手本?

大げさに言えば、徹底したリサーチ

その実、直感みたいな。

わかるかなあ、わかんねえだろうな・・・

オー、イエイ!



オー、イエイ!
さすがに、大先輩である。
徹底したリサーチというのは、
数々の広告クリエイターがバイブルとしてきた
ジェームス・W・ヤングの著書『アイデアのつくり方』
の中でも、もっとも重視されている要素だ。

そうだった。
表現の切り口とか探す前に、まずは商品に関する情報収集を
たっぷりと行うのが基本だったのに、僕はすっかり忘れてしまっていた。
いや、たかがノートだからと見くびって、
商品の情報なんかどうでもいいから
それより何か面白い表現方法を考えなきゃと
小手先のことばかり考えていたのだ。
YASUさん、ごめんなさい。
バカな若造をどうか許してください。



僕は、そういう内容を、YASUさんに急いでメールした。
返事はすぐにあった。


そんな偉そうなものではないんです。

私の場合は・・・

詳細は、原稿で。

わざわざご返信ありがとうございます。



あくまで腰が低い。どこまでも謙虚な人だ。



と思ったら、続けて、もう一通メールが来ていた。



あ、それから

「わかるかな、わかんねだろうな」

という台詞は、松鶴家 千とせさんの言い方を

マネしただけで、まったく深い意味はありません。

松鶴家 千とせさんをご存知なければないでそれはいいのですが。

ただ、私自身、ある懸念をしていた事は、事実です。

というのは、「わかるかな?」と言うほど、直感だの、リサーチなど

さして難解な事を言ってはいないのに

そこで敢えて、「わかるかな」を引用した安直さです。

このあたりが、私の、底の浅いところです。




正直、うざいなと思った。






*睡眠と覚醒のあいだで


YASUさんが若い頃に使っていたノートの写真。
自宅に残っていたものを撮って送ってもらった。
スマホで撮影してメールで送信したのは、生まれて初めてだそうだ。


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以下は、YASUさんが書いてくれた原稿。


実はぼくもすっかり年高になってしまって最近はすっかりご無沙汰なんですけれど、今から20年以上も前、30代の頃には1週間に3本、4本テレビ番組のレギュラーを持たせていただいていて、企画会議なんてものも掛け持ちしていた時期がありました。若かったんですね。だから務まっていたんですね。今では考えられません。で一応、会議ごとにネタとか企画案を用意していくわけです。当時から、ただ新聞の切り抜きや雑誌のコピーを持ってくるだけの構成者やブレーンには、無能のレッテルが貼られていました。そう思われるのが嫌だったから無理にでも簡単な構成や展開案をでっち上げることになります。しかも時間に追われているから大急ぎで。その際決して怠ってはいけないのが、「これどこかで見た企画やな」と局サイドの人間に言われることです。もちろん口に出さず心の中で思われてもいけません。だからといって、そうそう斬新な企画など出るはずもありません。そこで類似する企画、記事に可能な限りアタリを付け、似て非なる形をめざします。
(長いので中略。全文はまた今度、掲載します)
とにかくパソコンなどというものがない時代です。資料探しは足と勘で捜しました。行き先は、図書館と大型書店です。それと電話リサーチ。あれほど電話をかけて、一面識もないひとに、根掘り葉掘り情報を与えてもらった時期はありません。20代から30代にかけての10数年間は、ぼくのリサーチ力が熟成された黄金時代だったのかもしれません。徹底したリサーチ、情報収集ができると、あとはいかにアウトプットするか、なんですが、なかなか考えはまとまりません。だってそうでしょう、そんな簡単にまとめることのできる頭を持っていたら、今ごろはもっと違った生活をしています。で、アイデアを熟成、集約するためにぼくが選んだ道は寝ることでした。眠るのではありません。体を横にして目を閉じるのです。するとぼくはだんだん眠くなる。やがて睡眠と覚醒のあいまを行きつ戻りつし始めます。その時に思いつくんですよね。それまで思いもしなかったアイデアが。で、さっと起きる。ここでそのまま眠ってしまったらおしまいです。目覚めたとき何も覚えていませんから。寝ては置きる。その繰り返しで、企画はふくらんでいきました。今、この文章も、寝たり起きたり、まるで病人のような状況で書いています。


僕はYASUさんの文章を読んで、今の自分のことをすごく恥ずかしいと思った。
ロクに商品のことも調べない。
事業計画とか、来年の予算とかのほうが
サラリーマンには重要なんだと、自分に言い訳をして
新しいアイデアを生み出そうとする努力も怠っている。

昨晩も、僕は何もアイデアを考えずに、グウグウとお気楽に熟睡していた。

企画の仕事を始めた頃、僕は師匠に、こう教えられた。

「オレたちはな、仕事が世の中に出るまでは、ずっと考え続けるんだよ。
寝ても覚めても、お酒を飲んでても、お姉ちゃんと遊んでても
ず~っと頭のどこかで、アイデアについて考え続ける。
お前も、そのうち、それが当たり前になるさ」

師匠の予言どおり、僕もすぐに、文字通り寝ても覚めても企画のことを
考え続けるようになった。
というか、そうしないと仕事が来ないんだから仕方がない。
どれだけウンウン考えても、いいアイデアが出ないことにずっと悩み続け、
ある日すごい企画を思いついて有頂天になっていたら
そういう夢だったとわかって、ものすごく落胆する、
という毎日を送っていた。

はずだった。

それが、いつのまに、いびきかいて安眠できるようになったのか。



わかるかなあ、わかんねえだろうな・・・オー、イエイ!


そのフレーズとともに、YASUさんのニヤリと笑った顔が
僕の頭をずっと、グルグル、グルグルと回り続けていた。


若干、うざいなと思った。




(次回予告:Googleリーダー終了までには更新予定)